- 水がポタポタ垂れて気になる
- ハンドルが固くて回らない
- おしゃれな蛇口にしたい!
- 業者に頼もうか迷っている
このように悩んでいても、ついつい後回しにしていませんか?
実は単水栓なら自分で交換することが可能です!
しかし間違えると、漏水につながることも・・・・・。
僕は普段、給水装置工事主任技術者としてたくさんの水道工事に携わってきました。
今では簡単なことも、はじめたころは苦戦することがたくさん。
その経験を、みなさんにわかりやすく解説し、「水回りを快適に」してもらえればと思います。
今回は「単水栓の交換方法」を解説します!
この記事を読むと、
- 機能や見た目など好きな水栓に自分で交換できる
- 日々の小さなストレスや気になっていることを改善できる
- 注意点がわかり、失敗しにくくなる
- 問題が起こった時に慌てずに対処できる
- 時間やお金を節約できる
などのメリットがあるので、よかったら最後まで見てもらえると嬉しいです!
単水栓は自分で交換できる?

そもそも自分で交換していいのか気になるところ。
結論としては、自分でも交換できます。
ただし、維持管理に必要な軽微な変更のみ可能な点に注意!
できること・できないことは以下の通りです。
- できること
- 水か湯だけがでる単水栓の交換
- こまやパッキン交換などの修繕
- できないこと
- 混合水栓の交換
- 自動水栓の交換
- 配管を伴う工事
上記のことから、単水栓は軽微な変更に当てはまるため、自分でも交換できます!
水道法について詳しく知りたい人はこちらもご覧ください。
単水栓とは?蛇口や混合水栓との違い

単水栓ってなに?と思う人も多いと思います。
答えはシンプルで、水か湯だけがでる水栓のこと。
両方でるものは、混合水栓といいます。
また蛇口とは水栓全般のことを指します。
蛇口は蛇体鉄柱式共用栓(じゃたいてっちゅうしききょうようせん)が語源となっていて、
レプリカが東京都水道歴史館にも飾られているので気になる人はよかったら!
もう少し単水栓について解説します。
単水栓の種類
単水栓の種類ですが、大きくは2つあります。
それぞれの特徴を挙げると、
ねじ込みタイプ
- 壁や水栓柱、散水栓など配管に直接ねじ込んで設置するタイプ
- 代表的なものは横水栓

挟み込みタイプ
- 台やカウンター、陶器などにナットで挟み込んで固定するタイプ
- 代表的なものは立水栓

単水栓が使われている場所
- 外流し

- 散水栓

- 洗濯

- 浴室

- 台所

- 手洗い

など、幅広いところで使われています。
単水栓の選び方
基本的に、日本のメーカーから選びましょう。
理由は認証品でないと設置が許されないからです。
認証品を選ぼう
認証品とは、安心安全に使用できるように厚生労働省の定める基準に適合しているもの。
認証品には、
- JIS日本産業規格

- JWWA日本水道協会

などがあります。
自宅の水栓などを確認すると、マークがあるはずです。
間違っても、見た目や値段だけで購入しないでください。
不安な場合は、販売元に認証品か確認の上購入しましょう。
既存と同じサイズを選ぶ

一般家庭で多く使われている水栓のサイズは13です。
この数字は呼び径といいます。
呼び径によって取付ねじのサイズが違います。
既存と同じサイズを用意しましょう。
取付ねじのサイズは、1/2(13) になります。

20の場合は3/4になります
1/2や3/4の前にあるアルファベットはネジの種類です。
単水栓の場合は、PJ(給水栓取付ねじ)のことが大半です。
ねじの話について詳しくはこちらもご覧ください。
サイズの確認方法
既存のサイズがわからない場合は、以下を確認してください。
- 全体の大きさ

- オスネジの外径
- 13は20.955mm
- 20は26.441mm


- ノズルの外径
- 13は16mm
- 20は19mm


既存の品番やメーカーがわかる場合は、カタログで確認するか、
などで検索すると図面で確認できることも!
購入方法
購入方法ですが、ホームセンターやAmazon・楽天で購入可能です。
またメーカーのホームページから購入できるところもあります。
それぞれの特徴ですが、
- ホームセンター
- 実物を確認できる
- その場で手に入る
- 取り扱いのあるメーカーなら取り寄せもできる
- Amazon・楽天
- いつでも買える
- 価格の比較が簡単
- メーカー直販サイト
- 同じメーカーで見た目や性能の比較がしやすい
- 困った時に相談しやすい
他にもメルカリなどで中古品を安く購入することもできますが、
- 希望のものがない
- 部品が揃ってない
- 使用環境によって状態も様々
上記のことから知識や経験がなかったり、安心して使いたい方にはおすすめしません。
単水栓の交換目安
水栓交換の目安ですが、見た目や機能を変えたいと思った時です。
ここまで説明してなんですが、漏水やハンドルが硬いといったことはパッキン交換などで解決することが大半。
水栓本体よりもパッキン交換だけで済めば、お財布にも優しいです!
ただ以下の場合は水栓交換する方が簡単な場合も!
- 海外製などの特殊な水栓がついている
- 部品が手に入らない
- 適合するパッキンがわからない
- どこが原因で不具合が生じているか不明
迷った時はカタログを見る
水栓かパッキンの交換で迷った時は、メーカーのカタログを見て考えるのも一つです。
既存の水栓がカタログにあれば、パッキンも選定できます。
カタログにない場合でも、交換したい水栓を探せるのでおすすめです。
主なメーカーとして、
などがあります。
気になる方は各メーカーのオンラインカタログにリンクしてあるので見てみましょう。
またこの後に、水栓の交換方法(ねじ込みタイプと挟み込みタイプ)とパッキンの交換方法も解説するので参考に!
単水栓の交換方法
ねじ込みタイプ
単水栓(ねじ込みタイプ)の交換方法を解説します。


今回はホースの結び口を作るために1口から2口の単水栓に交換するので、参考にして下さい。
必要なもの
- 2口水栓(交換用)
- シールテープ(ネジ部に巻き付け止水する材料)
- カッターナイフ(梱包を解く際やシールテープの巻き直し)
- モンキーレンチ(水栓の撤去取付)
- ウォーターポンププライヤー(水栓の撤去取付、ネジ部の加工)
- ワイヤーブラシ(シールテープの巻き直しや清掃)
- 配管用タップ(配管内がサビで埋まっている場合)
- 水受け
- 軍手(ケガ予防・力が入りやすい)
- ウエス(清掃や養生用)
古い単水栓の外し方
- 水道メーターで止水
- 水栓を開けて圧を抜く・止水されているか確認

- 反時計まわしで水栓を外す(モンキーレンチなど)

- 配管ネジ部を清掃する(ウエス・ワイヤーブラシ)

新しい単水栓の付け方
- シールテープを巻く前に何周入るか確認

- 水栓のネジ部を清掃

- シールテープを巻く
- よじれないように
- 巻き数は7周程度
- 時計まわしに巻く
- 先端から1〜2山残す
- 軍手やウエスを使って馴染ませる


- 時計回しで水栓を取付
- 確認した数以下でねじ込む
- 角度調整は時計回しに
- 行き過ぎた場合は、やり直す

- 水栓が閉まっているか確認
- 水道メーターを開ける
- 漏れがないか確認

挟み込みタイプ
単水栓(挟み込みタイプ)の交換方法を解説します。






見た目がや吐水位置が異なるものに交換するので、参考にして下さい。
必要なもの
- 水栓(交換用)
- カッターナイフ(梱包を解く)
- モンキーレンチ(水栓の撤去取付)
- ナット締付工具(水栓の撤去取付)
- フレキ管(定尺)
- フレキパッキン
- 水受け
- 軍手(ケガ予防・力が入りやすい)
- ウエス(清掃や養生用)
古い単水栓の外し方
- 止水栓か水道メーターで止水

- 水栓を開けて圧を抜く・止水されているか確認

- フレキ管の両端のナットを反時計まわしで外す(クランクやモンキーレンチ、水受け)

- 下から固定用ナットを反時計まわしで外す(クランクやモンキーレンチなど)

- 水栓を引き抜く

- 穴のまわりを清掃する(ウエス)

新しい単水栓の付け方
- 新しい水栓を穴に差し込む

- 下から固定用ナットを手で仮締めする

- 水栓の向きを確認して、本締めする(クランクやモンキーレンチ)

- フレキ管の形を整えて接続する(パッキン・クランクやモンキーレンチ)

- 水栓が閉まっているか確認

- 止水栓か水道メーターを開ける

- 漏れがないか確認
交換時のこんな時
水が止まらない
水道メーターのバルブにゴミがあったり劣化していると完全に止まらないことがあります。
交換するところより低い位置にある水栓を開けながら作業しましょう。(散水栓など)
バルブに関しては水道局に連絡して修理してもらいましょう。
各所の止水栓が固くて止められない場合は、パッキンの交換方法を参考に部品を交換することもできます。
根本の配管ごと外れた
水栓を外すと、配管も一緒に外れることがあります。
ほとんどの場合、ツギタシソケットといわれる出を調整する部材のことが多いです。
腐食などもなく使えそうならツギタシソケットは再利用でも大丈夫です。
シールテープを巻き直し、六角レンチ(対辺12mm)を使ってねじ込むことで再利用できます。
古いツギタシソケッだと六角になっていないこともあります。
ツギタシソケットでなく、配管が外れた場合は水道局やお近くの水道工事店(指定給水装置工事事業者)に連絡しましょう。
配管が壁から出っ張っている・水栓の根元の隙間が気になる
配管が出っ張っていると水栓の根本に隙間ができることがあります。

その場合は、座金を使うと綺麗に仕上がります。

座金は、ねじ込むときに一緒に取り付けるので、もし後からつけたい場合は再度水栓の脱着が必要です。
水栓がグラグラする
水栓がグラグラする場合、中の配管が固定されていないことが考えられます。
その場合、無理に自分で交換しない方が賢明です。
無理に交換すると、中の配管が折れたり関係ないところのネジが緩んで漏水することも。
お近くの水道工事店(指定給水装置工事事業者)に依頼した方が安心です。
状況によっては、配管ごと新しくした方いいこともあるので、見積りを複数社からもらい後悔しないようによく検討しましょう。
配管が折れた
まずは慌てずに水道メーターで止水しましょう。
その後、水道工事店(指定給水装置工事事業者)に連絡。
管轄の水道局に連絡すると、何社か紹介してもらえます。
で検索するのでも大丈夫です。
慌てて、冷蔵庫に貼ってある「水のトラブル〜」に連絡しないでください。
既存の処分方法
おすすめは近くの金属買取を行なっているスクラップ屋に持って行くことです。
各自治体でも捨てることはできますが、お金を払って捨てることになります。
ついでに、家にある不要な鉄くずも一緒に持っていけば家の中も片付いて一石二鳥です。
で検索すると調べられます。
目ぼしいところが見つかったら、
- 個人でも買取してもらえるか?
- スクラップ場への入り方
- 空いてる曜日や時間帯
などを聞いておくと安心です。
大きい重機などがあったりするので、意外と楽しいです。
定尺のフレキだと見た目が悪い
ホームセンターなどに売っているものだと決まった長さのものになってしまいます。

必要な長さよりも長いものを用意せざるを得ないのですが、ツバ出し工具があれば必要な長さに加工できます。
興味のある人は、こちらもご覧ください。
パッキンの交換方法

パッキンの交換方法を解説します。
水栓の品番がわかれば、
で検索しましょう。
品番は不明だけど、メーカーがわかる場合はカタログから探しましょう。
今回、例に挙げるのは万能ホーム水栓です。
万能ホーム水栓は、他のメーカーのパッキンでも互換性がある場合も。
ただ同じメーカーで揃えると間違いありません。
よかったら参考にして下さい。
症状と対策
- 水がポタポタ止まらない
- 水栓の下部が濡れている
- ハンドルが硬い
- ノズルが回らない
- ノズルの根元からポタポタする
- 水栓の根本が濡れてる
他にも結露で水栓が濡れることがあります。
気になる方は、その他の維持管理方法もご覧ください。
こまパッキンの交換

必要なもの
- こまパッキン
- ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- ラジオペンチ
- ウエス
交換方法
- 水道メーターで止水
- 水栓を開けて圧を抜く・止水されているか確認
- ハンドル固定ビスを外す

- ハンドルを外す

- ナットを外す

- スピンドルを回して外す

- コマパッキンを交換

- 逆の手順で戻す
- 水道メーターを開ける
- 漏れがないか確認
三角パッキンの交換

必要なもの
- 三角パッキン
- ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- カッターナイフ
- マイナスドライバー
- ウエス
交換方法
- 水道メーターで止水
- 水栓を開けて圧を抜く・止水されているか確認
- ハンドル固定ビスを外す

- ハンドルを外す

- ナットを外す

- 三角パッキンを交換

- 逆の手順で戻す
- 水道メーターを開ける
- 漏れがないか確認
Uパッキンの交換

必要なもの
- Uパッキン
- モンキーレンチ
- ウエス
交換方法
- ノズルの固定ナットを外す

- ノズルを抜く

- 既存のUパッキンを外す

- 向きを確認して、新しいUパッキン取り付ける

- 逆の手順で戻す
- 漏れがないか確認
シールテープの交換
必要なもの
- シールテープ(ネジ部に巻き付け止水する材料)
- 軍手(ケガ予防・力が入りやすい)
- ウエス(清掃や養生用)
- カッターナイフ(梱包を解く際やシールテープの巻き直し)
- モンキーレンチ(水栓の撤去取付)
- ウォーターポンププライヤー(水栓の撤去取付、ネジ部の加工)
- ワイヤーブラシ(シールテープの巻き直しや清掃)
- 配管用タップ(配管内がサビで埋まっている場合)
- 水受け
交換方法
- 水道メーターで止水
- 水栓を開けて圧を抜く・止水されているか確認

- 反時計まわしで水栓を外す(モンキーレンチなど)

- 配管ネジ部を清掃する(ウエス・ワイヤーブラシ)

- シールテープを巻く前に何周入るか確認

- 水栓のネジ部を清掃


- 時計回しで水栓を取付

- 水栓が閉まっているか確認
- 水道メーターを開ける
- 漏れがないか確認

その他の維持管理方法
結露防止
- 保温(準備中)
凍結防止
- 保温(準備中)
- 凍結防止のスピンドルに交換(準備中)
- ヒーター(準備中)
水の出が悪い
- 水切りの掃除(準備中)
- ノズルの交換(準備中)
小さい子供やお年寄りが開閉しずらい
- ハンドルの交換(準備中)
費用について
準備中
リスクと注意点
- 埋め込み型の洗濯水栓

- 手洗い器一体型の水栓

上記のような、水栓だけの交換が難しいものはご自身での交換はおすすめしません。
また以下は水道法の軽微な変更に該当しません。
- 混合水栓
- 自動水栓
- 配管を伴うもの
ご自身で交換すると場合によっては水の供給を停止されることも!
詳しくは、こちらをご覧ください。
それ以外にも、
- 自己責任
- 賃貸は無許可でやると問題になるので事前に許可を得る
- 集合住宅や2F以上の場合、漏水すると階下まで水浸しになることも
- 壁内の配管が破損する可能性がある
などが、挙げられます。
専門業者にお願いした方が結果的に時間やお金の節約になることもあるので、よく検討してから行動しましょう!
不安な場合は専門業者に依頼!
どこに頼めばいいかわからない場合は、
管轄の水道局に相談すると水道工事店(指定給水装置工事事業者)を複数紹介してもらえます。
管轄の水道局がわからない場合は、
水道工事店を直接調べたい場合は、
で検索するといいでしょう。
指定給水装置工事事業者とは?
指定給水装置工事事業者について簡単に説明すると
- 給水装置工事主任技術者(国家資格)が在籍
- 法令で定められた機械器具を保有している
- 成年被後見人・被保佐人・破産者に該当していない
と、要件があり該当しないと指定とはなりません。
わかりやすく説明すると、
- 知識や技術を備えている
- 必要な道具がある
- 信用や財政状況に問題がない
自分では難しいと思った時は、安心してお願いできる指定給水装置工事事業者に依頼しましょう。
3社くらいに見積りをお願いすると相場感もわかり安心です。
ぜひ検討してください!
まとめ
- 単水栓なら自分で交換できる!
- 混合水栓や自動水栓はダメ✖️
- 交換前に種類とサイズを確認!
- 認証品(JISやJWWAなど)を選ぶ!
- パッキンや部品交換も検討・比較する!
- 交換前に環境(配管のぐらつきなど)や手順を確認する!
- 不安な場合は無理をせず、専門業者を探す!
- 専門業者は指定給水装置工事事業者!
- 3社くらいに見積もると相場感もわかる
この記事で紹介した道具一覧
- ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- カッターナイフ
- 管用タップ
- ナット締付工具
- 六角レンチ
- カッターナイフ
ぜひ、挑戦してみてください!
ジョンでした。ありがとうございました。
水回りを快適に!